回路的な細かい説明をこのサイトにアップしても、皆様はつまらないはずなので、簡単に要約して説明致します。
 
ここではプリメインアンプを自作する上で留意するポイントの紹介です。
音が原音より良くなる・・・はずはありません。良いアンプとは「音が悪くならないように配慮した設計が成されているか」が重要です。
ここでは主にハイパワーアンプの話しをしないで、単電源のモノリシックパワーデバイスにつきまして説明致します。
 
このページで言う「音の良い」と言う表現はアンプパワーデバイスの「性能面を引き出すための工夫ポイント」として引用しています。
 
NFBのコンデンサは入力GNDの間近か、一点アースポイントに配置します。
モノリシックパワーデバイスのアンプ入力構造は差動入力ですが、NFBのGNDポイントは中出力付近までの歪み率を大きく左右します。基板の配置としてNFB(負帰還)部は音質を大きく左右してしまうのです。特にプリント基板上では引き回しに大きく関与されます。
 
厚手の銅箔基板を使用します。
1970年代、80年代では基板メーカーそのものが銅箔厚70ミクロン品は一般的でした。
しかし、高密度配線のために基板を微細パターンの実現のため、90年代は35ミクロンに、2000年代以降は18ミクロンまで薄くなってしまうのです。
薄くしないとPCのマザーボードのような細かいパターンの精度が出せないため基板製造ベースがこれに合わせられてしまっているのです。
銅箔厚は性能の基本となるのです。
 
おやぢのアンプは基板工場に特注して4倍メッキ層にして性能面を改善しています。
厚みを増す事でGNDの残留ノイズの低減、高電流に対する抵抗増加の防止を図っています。
電源部のバイパスコンデンサ、出力コンデンサにはハイリプル特性と高周波低ESR品を使用します。
3W未満の小型アンプでは大きな差が出ませんが、中出力の5W〜15Wアンプでは音質に差が出ます。
 
大電流の流れる場所にオーディオ用コンデンサを使用してしまうと内部抵抗が高いため、電源の過渡応答に追従してこなかったり、出力コンデンサに選択してしまうとNFB閉回路外に配置されている スピーカー信号電圧との誤差が大きくなり、損失や特性の低下を招きます。詳細はこのページをご覧下さい。
 
電源、スピーカー出力コンデンサは高品位でかつ低ESR、長寿命、高リプル(大きな交流成分を流せる)コンデンサーを選択しましょう。
 
電流ループを考えたアース回りを構築する事も重要
基板レイアウト上、GND廻りや電流ループは最大限に重要です。
アナログ回路設計の最大の重要ポイントです。電源バイパスコンデンサ(メインバイパス)を仮想一点アースとさせ、一番電流の流れるスピーカー電流ルートを一点とし、さらにアンプデバイスのPG(パワーGND)をそこにつなげて大きな電流の流れるラインを入力信号系に流れるのを防止します。
回路図上のGNDでも、ただつながっていれば良いと言うものではありません。
 
放熱はきちんと行えていますか?温特ドリフトはデバイスの敵
自作アンプの設計で重要なのが放熱です。5Wを越えるアンプの場合、出力40〜50%付近のデバイス発熱が最高になります。(意外ですが最大出力時にはアンプは発熱が最高では有りません。パワーのほとんどがスピーカーに向かうためです)
 
デバイス自体は無限大放熱板として設計されていますが、実際にはそんな放熱板ではアンプは作れません。強制空冷にでもしない限りせいぜい3℃/W程度の放熱がめいっぱいでしょう。
金属ケースへ入れる際には適度な放熱設計を行なってあげないとパワーアンプデバイスのドリフト特性が大きくバランスを崩すことになります。
適度なGAINに抑えていますか?
ギターアンプなどは別ですが、オーディオアンプに大きなGAIN(利得=増幅度)は必要有りません。
 
ただ、アンプデバイスのGAINを無理に20dB以下 にNFBへ帰還させると動作が不安定になり、異常発振などの原因になりますので、Av=25dB以上はGAINを稼ぎ安定動作には気をつけて下さい。(ICに安定動作最小値の記述があります)
 
パワーアンプ単体でAv=40dB以上になりますと前段のホワイトノイズを増幅してしまうため36dB以下に抑えることが重要です。大出力を得るために40dBを越えるGAINが必要な場合は、入力調整も含めてプリドライブ部のノイズ低減化に配慮が必要になってきます。
個人で大きなアンプを組む場合は高度なテクニックが必要になって来ます。
 
NFB帰還(Cnf)コンデンサを大きめに摂りましょう。
帰還コンデンサは低域(50Hz以下)に大きく影響を与えます。
マニアの方などは故意に2倍の容量に増加させたりしています(おやぢも同感です)が、電源投入時の立ち上がりも少し遅くなります。(低域をカットさせないため1秒間くらい我慢しなさい)
 
推奨値を逸脱して大きくしすぎますとDC漏れ電流が増えて出力の直流センター電圧バランスを崩すため、歪率が急増します。推奨値の2倍あたりでやめておきましょう。
 
出力コンデンサの大きさを推奨値より大きめにすると良いです。
単電源パワーアンプの場合出力コンデンサの容量で低音特性が大きく決まってしまいます。量産時の推奨値は8Ω時で470
μF程度が普通です。1000μF程度まで大きくすると4Ω時にも対応出来ますし、低域が減衰しにくくなります。自己責任下で2200μF程度まで大きくしますと低域特性はさらに改善しますが、スピーカー端子間ショートなどでICを破壊しやすい状態になることを忘れないで下さい。
 
電源バイパスコンデンサをある程度大きくします。
電源部のレギュレーションがある程度有る場合や、スイッチング電源を使用する場合はそれほど重要ではりませんが、ICメーカー推奨値の二倍近くしておくと安定度は増します。
 
このコンデンサを過大に大きくすると電源ハムやノイズが減ると考えている方が多いのですが、ハムの問題は基板AWの方が効いてきます。メーカー推奨値の2倍〜3倍が適度です。
電源のコンデンサをあまり大きくしてもダイナミックレンジは広がりませんし、決定的なハム対策にはなりません。
また、DC側の電源スイッチが存在する場合はスイッチの接点を痛める場合があります。2200〜4700μF程度を目安にしておいて下さい。(10Wアンプの場合)
 
 
アンプの増幅度はオープンループ(無帰還)でスペックが各IC毎に決まっています。帰還値は推奨範囲があるので限界を超えないようにして下さい。
IC内部で帰還抵抗が決まっている場合はNFコンデンサに直列抵抗を入れる事でAv値を制御出来ますが、データシート上で帰還抵抗の挿入を
保証いていない場合はそのような調整はするべきではありません。 
オーディオ専用プリント基板というものはこの世にありません。基板メーカーはデジタル向けに基板を製作しているのが現状です。
 
自作アンプを基板で構築したい場合は基板メーカーへ銅箔にメッキを指定したり、レジストを逃げさせて電流ルートの断面積を稼ぐのが一般的です。
 
 
 
 
ハイリプルという意味
コンデンサはバイパスコンデンサとして使用する場合、電流を吸ったり吐いたりして電圧を  安定させる働きをします。
この(吸ったり吐いたり)の電流をリプル(またはリップル)と言います。
このリプル値はコンデンサのタイプで特性が決まっており、良いものと一般的なものとで大きく異なります。
ハイリプルとはリプル値が大きいものを言います。
 
高周波低インピーダンス、(高周波低ESRも同義語)とは、ハイリプルの上にさらにその速度が優れているものを指します。
一般用の電解コンデンサでは10KHz程度までしか伸びていませんが、高周波領域のものは100KHz、MHz領域まで伸びています。
 
商用電源周波数50/60Hzの平滑までなら一般用のコンデンサで良いのですが、スイッチング電源やオーディオ帯域まで電源の安定化や出力信号など必要とする場合は高い周波数まで伸びているものを使うことが求められます。