皮肉にもオーディオメーカーに在籍したときには全く情報としてそういう世界が有ったとは知りませんでした。
「スーパーケーブル」や「モンスターケーブル」という世界ですね。
値段の高さが「数倍とか、十倍とかではなく、数十倍、数百倍とか・・・(場合によっては信じられない値段が)する異常な高さです。
 
たしかに、ケーブル専門の一流メーカー製には録音スタジオで使用する高品位なシリーズがあり、端子部のメッキ品質や線材の素材が「劣化、ノイズ混入防止技術」がきちんと裏付けされているのも多いのです。
つまり、高価な理由がきちんとあるのも確かですが、最近のオークションやオーディオ専門店には「オカルト的」な無意味に異常に高価な商品群が有ります。
 
決まって「網組み袋にしてあって」中が見えなくしているのがお決まりで、異常な値段の裏付けが特にしてないのです。
はて?特殊金属とか言っているけどどこで精錬した金属かしら???
どんな原石から溶かしたのかしら???って疑ってしまいます。
 
そんな金属を原石から精錬するわけもなく、そんな材料があったら放送局なんか大銀行並みの価値になってしまいますね。
 
 
このページでは「異常に高価なケーブル」を考察してみます。
 
 
 
超高価なRCAピンケーブル
家庭用VTRが普及し始めた1975年ごろ、高画質を謳った高級RCAビデオケーブルが流行った時代を思い出します。
6MHz映像信号帯域幅を伝搬するための3C-2Vから5C-2Vクラスの低容量ケーブルです。1m品で5000円程度した覚えがあります。
 
現在オーディオ用でも同じ様なモンスターケーブルが見受けられます。
高周波領域を必要とする高画質DVDには普通のピンケーブルしか今は使わないのに、なぜか20KHzの低周波にモンスターケーブルを使うとは少々アンバランスを感じます。
 
まあ、気の持ちようですから、オカネが余っている人は買ってみるのも一興かとは思いますが、自作系や構造などに根拠のないモンスターケーブルはオカネをドブに捨てるのとあまり変りません。
 
ただ、恐ろしいのはノーシールドのモンスターケーブルが出回っているのは困ったものです。
以前、オーディオケーブルにACコードを使ったら音がパワフルになった・・・なんてふざけた記事がオーディオ雑誌に掲載されていて驚きました。
600Ωインピやバランス配線では確かに近距離の伝搬に影響は無いでしょうが、家庭用オーディオの50kΩのハイインピにはシールドしないとハムが入っちゃいます。
ノーシールド配線はあくまでも極短距離か、低インピ系の限られた場所に使うべきであって。信じられないですね。
大体、ACコードでオーディオ信号が「パワフルになった」ってどういう耳が聞こえるのか。いっぺん耳鼻科に診てもらった方が良いと思うのです。
 
 
電線メーカーが高音質を謳っているケーブル類は、被覆の良質なものや、GND網組みの良いもの。構造的に劣化のしにくい端子を使っています。
つまり、音質改善のために説明出来る理論が通っています。
 
ですので、配線変更の多いスタジオや延長距離の長い伝搬に使用される場合、高品質のオーディオケーブルが使われるのは理にかなっています。
 
しかし、1mや2mのアンバランス配線に使用する場合、モンスターケーブルを使う(それを買う)のはバカらしい発想です。それに値段の高さがすごいですね。芯線に純金でも使っているのでしょうか???
家庭で「音」にこだわる場合、一番オカネをかけても変化が少ない部分はケーブルの部分です。(長距離=5mを越える場合や特殊な環境で使用する場合は話しが別ですが)
 
ただ、システムを高級にまとめる場合、ある程度の「見栄え」が必要になってくるのも当然です。
高級CDプレイヤーに100円ショップのピンケーブルではあんまりですから、ほどほどのケーブルは使いましょう。
超高価な電源ケーブル「音が良くなる」ハイグレードパワーケーブル・・・とか言うもの
 
電源ケーブルは電力を供給するためのものです。異常に古かったり、粗悪なものでは「音」の話題に入る前に「安全上の問題」が介在するので、悪いものは使わない方が無難でしょう。
 
しかしながら、数千円、数万円(10万円以上のものも見たことあるのですが)電力を伝搬するのに、コンセントから電源部に電力を搬送するためになぜこのような異常な値段がかかるのでしょう。
 
発電所からアンプまで「オーディオ用電源ケーブル」でつながっていたら、たしかに音が良くなる気がします・・・が、家庭のコンセントまで普通の屋内配線を伝わって来て、アンプの直前に「オーディオ専用電源ケーブル」を使って音が良くなる・・・というのは無理があります。
 
たしかに医療機器などでは耐ノイズケーブルなど、回路にノイズが入りにくく作ってある特殊構造のケーブルは有りますが、オーディオ用にそれを使って音が良くなるというのは信じられません。
まあ、欲しい方はどうぞ買って頂けばきっとひと味変るのでしょう。
 
ホスピタルグレードケーブルとか、ホスピタルプラグと言うものも有ります。病院で使う第一種医療機器などに指定されて使われるものです。
これも「音が良くなる」という触れ込みですが、本来は音が良くなるというスペックではなく、「引っ張られても抜けにくい」とか医療行為上の安全性に向けて指定されているものです。材料は普通のものですが、これがオーディオに良いとされている理由も分りません。
「医療機器=多分良いもの=高価=きっと儲かる」という臭いがしてきますね。
 
スタジオなどでは特殊なケーブルを使うのではなく、電源部のコンセント側に工夫があり、ノイズカット構造になっているのが普通です。だから、高価な電源ケーブルを買って、テーブルタップにタコ足配線では、高価なケーブルは気休めと言ったところですね。