工場でじゃんじゃん流れてくる木材をコンピューター制御で加工するのが「プレカット」。
最近の木造住宅は9割以上がこの方式です。
シモノ工務店もこれを否定するわけではありません。
しかし、いまだに手作業による「墨付け」と「刻み」にこだわります。
職人の意識
古臭い精神論でごめんなさい。
大工さんが手で刻んだ家は担当した大工の責任の重さが違います。
わざわざ大変な思いをして刻むことで、自分の現場であることを強く自覚し、より「現場の出来」にこだわるようになり、仕事も丁寧になります。
無垢材は長持ちする材料であると同時に、「反り」「ねじれ」などの狂いが避けられない扱いの難しい材料です。
ですので、刻む前に確実に「木のクセ」をよんでおく必要があります。
「プレカット」はコストを下げる為の手段です。偏見かもしれませんが工場の作業員もあまりじっくり材料を眺めていられないんじゃ・・・。
そもそも、そのようなことが出来る腕の良い親方級の大工が、「工場の作業員」になっているのか・・・・。
手刻みは、熟練の大工が、材料をじっくり見て触って、1本1本違う「自然の木のクセ」を読みながら刻んでいくので、無垢材の加工に適しています。
木造住宅の「揺れ」と相性が良い
無垢材との相性
木造軸組工法は地震時に材料同士の「食い込み」、また、接合されたボルトの穴のある程度の「遊び」により、構造体がある程度動くことで、地震力を「吸収」「減衰」するという特徴があります。
またこの「吸収」「減衰」効果により、木造住宅の弱点でもある仕口(接合部)に力が集中することを防いでいます。
〜プレカットに頼らない手造りの家〜
・・・・・・・・・・手刻みによるメリット・・・・・・・・・・
手刻みが好きだー!
プレカットは寸分の狂いもなくピタピタにはまってしまい精度に優れていますが、接合が固くなってしまいます。
接合部が固く接合しすぎると、仕口(加工して彫った部分)に地震力が集中し、痛めやすいというデメリットも発生させます。
手刻みが「ガバガバ」に刻むというわけではありません。さすが熟練大工の刻み。見た目はぴったりです。
ただ、プレカットほど全く遊びのないカチカチの接合部を造る訳ではありません。
この微妙な手刻みの接合部が木造軸組工法の揺れ方と相性が良いのです。
木造軸組工法の揺れ方
プレカットと手刻みの構造体の差
プレカットも手刻みも同様に、木は加工をして刻んだ部分(仕口)は、加工していない部分より弱くなる特徴がある。
腕の良い大工がいる証
数ある職人の世界のなかでも、大工は実際には人気がありません。
それは「下積み」が長いというところに原因があります。
木材に加工する線を罫書く「墨付け」とよばれる作業は、長い下積みをしてきたベテランの大工だけに許された作業です。
つまり、この「墨付け」ができる大工こそ腕の良い「本物の大工」である証なんです。
何十年ハウスメーカーの「組み立て屋」のような大工をやっていても絶対できるようにはなりません。
ミスの許されない木に関する高度な知識と経験が必要とされる仕事なんです。
ちなみに、シモノ工務店には、「墨付け」ができない大工なんていません。
プレカットは比較的大きく仕口を加工します。そのため手刻みに比べ断面欠損が多くなりがちです。
また、加工するときに両端を機械で固定する為、同じ寸法の部材を刻む場合でも、手刻みより長い材料を必要とし、機械が掴んだ部分は切り落とされて廃棄物となってしまうというロスも多く生じます。
手刻みでは、大工さんが切り落とした材料の使いまわしまで考えて刻むので、材料のロスが少なくなります。
欠損、ロスが少ない
〜「墨付け」が意味すること〜