静岡市清水区シモノ工務店
外断熱工法の盲点
近頃外断熱を強調して内断熱やグラスウールでの断熱さえ否定する住宅会社があるそうです。
本当に外断熱と内断熱ではそんなに差があるのでしょうか。ここでは外断熱ではネオマフォームを除く発泡系断熱材、内断熱ではグラスウールというごく一般的な前提で記述します。
断熱性能を左右するのは工法ではない
結論から申し上げると断熱に関する知識と技術があれば外断熱も内断熱も性能に優劣の差はありません。断熱性能は断熱材の素材、厚さ、施工技術によって決定します。
よって外断熱だから断熱性能が良いということはありえません。
普段は問題がなくても、地震のときはどうなるでしょう。
ビスというのは釘と違い、脆性的(ぜいせいてき)で粘りがないものです。
「釘」は横から叩けば曲がります。何度やってもグニャグニャ曲がるだけで折るのは大変です。
これに対し 「ビス」は5、6回横から叩けば折れてしまいます。
たわみを抑える為「焼き」が入っているので、固い代わりにある程度でポキッっとおれてしまいます。
外断熱で、もし折れないで曲がる「釘」のようなビスを使っていたとします。
地震で動いた位置で外壁は止まってしまい、雨仕舞上問題です。
曲がりもしない、折れもしないガチガチに頑丈なビスだとします。
そうなるともはや木造に不向きです。木造は地震時に木がめり込むこと地震力を吸収、減衰するという特徴があります。
ビスが曲がらず折れなかったら、支点である間柱や柱のビス穴がめり込みにより広がってしまい保持力に問題が生じます。
木造住宅の重要な部分で、ビスをこのような使い方をするのは今まで例がありません。
数年後何十年後何がどの程度起こるのか確認できないものを採用し、何十年使用する住宅を御客様に提供するのは問題があります。
外断熱の問題点
断熱材の「熱痩せ」による弊害
外断熱は断熱材を構造躯体(柱等)と外壁の間に挟みこんであります。
外壁は断熱材のようなやわらかいものでは保持できない為、断熱材を貫通して構造躯体にとめてあります。
断熱材の痩せが起きていない時、ビスに対して働く力はほとんど「引っ張り荷重」です。問題ありません。ビスは引っ張りに強いですから。
しかし断熱材の痩せが起こると、ビスに「曲げ荷重」、「せん断荷重」が増大します。
もしビスがその荷重に対し、耐えられたとしても、ビスで宙吊りのような状態になった外壁が、バネのような動きをしはじめることは容易に考えられます。
地震とビスの弱点
スタイロフォーム等の製造時にフロンガスを使用する発泡プラスチック系断熱材は、完成直後からフロンガスが次第に抜けてくる為、5年程度で空気と入れ替わってしまいます。
フロンガスが断熱の要なのでフロンガスが抜けた発泡系断熱材は断熱低下が起きます。
フロンガスが抜けるまでの5年で製造時の30%も断熱性能が低下します。
これは確実に御客様へ説明責任が発生する事項です。
断熱性能の低下
「熱ヤセ」
「断熱性能低下」
ここが外断熱に踏み切れないポイントなんです。
ネオマフォームを使用すればクリアできると思いますが、コスト面で問題が残ります。
これを少しでも防ごうとしてビスをたくさん打つと結露のリスクがビスの数と比例して高くなります。