鳥 籠 山
崗本天皇の御製一首並に短歌
神代より 生れ継ぎ来れば 人さはに 国には満ちて あぢ群の かよひは行けど わが恋ふる
君にしあらねば 昼は 日の暮るるまで 夜は 夜の明くる極み 思ひつつ 眠(い)も寝がてに
明しつらくも 長きこの夜を 巻4 485
反 歌
山の端にあぢ群騒き行くなれどわれはさぶしゑ君にしあらねば 巻4 486
○大意 山の稜線のあたりを、あじ鴨が群がってさわいで飛んで行く声が聞えるが、私は淋しい。
あなたでないから。
淡海路の鳥籠の山なる不知哉川日(け)のこのごろは恋ひつつもあらむ 巻4 487
○大意 淡海路の鳥寵の山にある不知哉川というが、さあどうでしようか、このごろは私を恋しく
思っていてくださるでしょうか。