・八坂の塔
さて、この散歩道としては清水寺まで来た事によって目的地に着いた事になる。次は帰り道をどう取るかだが、陶芸の好きな人は五条坂に通じる茶碗坂を通るのが良いだろう。清水寺の門前を左手に進むとこの坂に出る。清水焼を扱った店が沢山並んでいる通りだ。
ここでは、まだ紹介したいスポットがあるので、清水道を引き返す事にする。三年坂を下りて八坂道を通り二年坂を右に見て坂を下ると法観寺の前に出る。すでにこの散歩道で何度となく登場している八坂の塔のある寺だ。八坂の塔は内部を公開している唯一の塔で、これを見逃す手はないと思う。
法観寺は、飛鳥時代に、このあたりに勢力を持っていた八坂氏の氏寺として創建された。寺伝によると聖徳太子の創建ともいう。五重塔は、通称八坂の塔と呼ばれ、創建以来戦乱などによりしばしば失われて来ており、現在のものは1440年(永亨12)足利義教により再建されたものである。高さは46メートルあり、応仁の乱の際には物見櫓として使われたらしい。現在は重要文化財に指定されている。他に薬師堂、太子堂が残る。臨済宗建仁寺派。
拝観料400円(小学生100円 保護者同伴のみ)
法観寺五重塔
須田国太郎画伯の「法観寺塔婆」は概ねこの角度から描かれたものだが、名画を写真で再現するのはやはり難しい。
・八坂庚申堂
法観寺から少し坂を下りた左側に赤い門の寺がある。門の脇に大きな石碑が立ち、3頭の猿と「日本最初庚申堂」の文字が刻まれている。さらに、門の上を見ると3頭の猿の像が下を見下ろしている。ここが日本で最初に出来たとされる八坂庚申堂である。
正式には金剛寺庚申堂といい、東京・浅草寺、大阪・四天王寺ともに日本三庚申のひとつとされる。
庚申信仰とは、年に6回ある庚申の日の前夜に人間の体内にいる三尸(さんし)の虫が、眠っている間に体内から抜け出してその人の罪を天上の帝釈天に告げ寿命を短くすると言われるため、この夜は眠らずに夜を明かす庚申待ちと呼ばれる信仰が広まったものである。
現在の本堂は1678年に再建されたもので、伝教大師最澄作と言われる見猿、言わ猿、聞か猿の三猿像が安置されている。また、病気平癒のコンニャク封じが有名で、腰痛、頭痛、神経痛、小児カン虫、引つけ等に御利益があるとされる。
右:八坂庚申堂の門
左:門の上に座る三猿達
洛東の道はひとまずここを終着点とする。ここからの帰り道だが、JR京都駅又は京都市内各所に向かうには市バスが便利で、「清水道」バス停から乗ると良い。また、京阪電車なら五条駅が近いが、少し遠回りをして祇園から四条駅まで歩いてみるのも面白い。

今回紹介したコースをまっすぐ歩くだけなら3km程度、あちこち寄り道しながら歩くと5km程になるだろうか。のんびり歩くには丁度良い距離だと思う。ただ、すべてのポイントを見て回ろうとすると1日では大変かも知れない。まだまだ紹介していないポイントもいくつもあるので、何度となく訪れては楽しんで頂きたい道である。
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法観寺五重塔の位置


八坂庚申堂の位置



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