・一念坂から二年坂へ
石塀小路を堪能した後は、二年坂へ向かう。石塀小路から高台寺道へと戻り、右に曲がるとすぐに坂道になっている。ここは少しややこしい交差点で5叉路になっており、右手に行くと高台寺の山門に出会う。また、左の手前の道を昇るとさっきの高台寺の駐車場へと続く。左の向側の道がメインの道で、そのまま進めば維新の道へと続いていて、護国神社の鳥居の手前で二年坂へと続く道が分かれている。交差点をまっすぐ渡ると木の門があり、右手に石碑が立っている。日本画の大家、竹内栖鳳邸跡だ。以前は非公開であったが、最近レストランと結婚式場として整備され、入る事が出来るようになった。
壱年坂を通り抜け右に曲がると道は二年坂へと続いている。このあたりは桝屋町と呼ばれかつては普通の民家が多かったのだが、今ではすっかり土産物屋が立ち並ぶ界隈になってしまった。
二年坂界隈
さて、散歩道としては、竹内栖鳳邸跡の前から左へと続く細い石畳の道を歩く事にする。この石畳の道が一念坂である。この道が整備されたのはごく最近で1992年(平成2年)の事である。一念坂の名もその時ついたもので、それ以前はアスファルト舗装の名も無き道だった。坂と呼ぶにはあまりにも平坦な道だが、京都らしい風情のある道だ。
竹内栖鳳邸跡からすぐ左に曲がったところが一念坂。なにやら秘密の小径めいた雰囲気がある。
一念坂
竹内栖鳳邸跡
二年坂側の入口。「京乃坂みち一念坂」と書いた石碑が立っている。一念坂という名はやはり三年坂、二年坂からの連想だと思われる。単純に「年」とはせずに「念」としたところに命名者の苦心の跡を見るべきかも知れない。
一念坂を出た所から二年坂方面を見たところ。年中観光客で賑わう場所だ。土産物店を中心に、飲食店、陶芸店など約50軒の店が並んでいる。
上の写真で左手に道が見えるのが判るだろうか。料亭大和の裏から正法寺へと続く坂道で、途中で維新の道とも交差している。かつて坂本龍馬の葬列が通ったことからこの道を龍馬坂と呼ぶ。この坂を少し登ってから西を望むと、町家の甍越しに八坂の塔が望める。二年坂の喧噪から比べると嘘のような静けさで、ちょっと寄り道をしてじっくりと塔を眺めて古都の気分を味わうのも悪くはない。
左写真
夕日を背にした八坂の塔。ちょっとした穴場的な坂道である。
右写真
八坂の塔だけを拡大したところ。まるで影絵のように見える。
竹内栖鳳邸跡の位置
一念坂の位置
一念坂の位置
竹内栖鳳は、明治から昭和初期にかけての日本画壇を代表する画家である。ここ竹内栖鳳邸は1929年(昭和4年)に築かれたもので、東山艸堂と名付けられた。当時の文化人や政治家達のサロンとなり、時には皇族も訪れたという。
この地に、平成15年11月7日、THE SODOH BY THE GARDEN ORIENTAL KYOTOがオープンした。かつての東山艸堂を最大限生かした形で、結婚式場と高級イタリアンレストランを兼ねたスペースとして整備され、生まれ変わったものである。
レストラン営業時間
ランチ 月ー金 11:30〜15:00(L.O.14:00)
ディナー 月−金 17:00〜22:00(L.O.21:00)
土・日 17:30〜22:00(L.O.21:00)
説明が前後してしまうが、省略するには惜しい店があるので紹介しておく。先程の5叉路を一念坂へ入らずに維新の道の方へ進むと右側に店が並んでいる。その中に「京みどり」という店がある。
・京みどり
この店は抹茶の専門店で、ここで売っている抹茶ソフトクリームは混ぜものが一切なく、あっさりとしていて美味。緑色の幟りとソフトクリームの形をした置物が目印だ。季節によるが、店の前の赤い床几に腰掛けて開放的な気分を味わいながら食べるのがお勧めである。抹茶ソフトクリーム一個300円。
茶房内でも食べられるが、その場合は400円になる。他に、抹茶シフォンケーキや抹茶フロートなど。
京みどり
京みどりの位置
龍馬坂
龍馬坂の位置