洛東の道
東山のふもと、平安神宮から清水寺にかけての道は、最も京都らしさに溢れた道だ。京都へ来る事があれば、是非一度歩いて頂きたい道である。
・出発点:平安神宮
平安神宮は、明治28年に健都1100年を記念して創建されたもので、京都の中では比較的新しい部類に入る。祭神は平安京を定めた桓武天皇。建物は、平安京の朝堂院を8分の5の大きさで再現したものである。写真は応天門。
社殿を取り巻く神苑は、春の枝垂桜や初夏の花菖蒲の名所として知られる。
神苑拝観料
大人 600円
小人 300円
平安神宮の大鳥居。昭和4年に設置されたもので、コンクリート及び鉄骨造の明神鳥居。幅18m、高さ24.2mであり、長く日本最大の鳥居であった。
・神宮道から青蓮院へ
平安神宮から神宮道を通り青蓮院へ向かう。途中、大鳥居の両側には京都市立美術館や国立近代美術館があり、興味のある展示があれば寄り道してみるのも面白い。神宮道西側にある和菓子の老舗「平安殿」の饅頭「平安殿」(柚風味)と「平安饅頭」(黄身餡)はなかなかの美味。お土産やおやつに最適。どちらも1個90円。
青蓮院は、天台宗の門跡寺院の一つで、延暦寺の僧侶の住まいである「青蓮坊」がその始まりと言われる。庭園が有名で、秋には夜間拝観が行われる。国宝「青不動」は日本三不動の一つに数えられる名品。
写真の大楠は親鸞上人お手植えと伝えられ、全部で五本ある。トトロが住んでいそうな巨木だ。
拝観・入場料金
大人 500円
高校生 400円
中学生 400円
小人 同伴無料
青蓮院
青蓮院の位置
平安神宮の位置
尊勝院
青蓮院からすぐに隣の知恩院へとは向かわずに、一度後戻りをして坂を下る。坂を下りきったところが小さな交差点になっており、まずは右へ曲がってみる事にする。道の左手は粟田小学校になっており、少し歩くと右手に入る道が見つかる。その道を曲がったところに「元三大師」と書いた石碑がある。さらに道を進むと坂道になっていて、登り切ったところにお堂が見つかる。これが尊勝院である。
尊勝院は、元三大師を本尊とする寺で、天台宗に属する。保延年間(1133年〜1141年)に比叡山横川に建てられた尊勝坊が起源と言われ、その後青連院の裏に移設されたとされる。応仁の乱で荒廃したが、豊臣秀吉により再建され、江戸時代には、お堂が南を向いていた事から南面大師堂、あるいは本尊から元三大師堂と呼ばれた。1915年(大正4年)に現在地へ移設され、今に至っている。
本尊の元三大師とは、比叡山第十八代座主であった良源上人の事で、叡山中興の祖と言われ、数々の伝説とともに降魔大師、角大師、豆大師などの異名を持つ。元三大師は、おみくじの開祖ともされる方で、大師が観音菩薩に祈念して偈文を授かった観音籤が起源と言われている。
尊勝院は、比叡山千日回峰の行者が修行の報告に来る寺でもあり、その時に白川を渡る橋が行者橋である。
尊勝院の位置