石塀小路

高台寺から二年坂へ直接向かう道もあるが、ここでは一度階段を下りて元の高台寺道へと戻る。左に道を取り少し歩くと右手に趣きのある街灯が見えて来る。その下まで行くと小径が見つかるはずだ。石塀小路である。清水に向かうには寄り道となってしまうが、通り過ぎてしまうには惜しい空間だ。

石塀小路が出来たのは意外に新しく、大正時代のことである。料亭や旅館が建ち並ぶ静かな落ち着いた空間。写真は、高台寺道から入ってすぐの所。

石塀小路．．．地元では「いしべこじ」と呼んでいる。道の曲がりぐあいや、板塀の風合いが絶妙な調和を見せている。

石塀小路の名の元になった石垣の塀。石塀小路は、貸席を兼ねた高級な貸家街とすべく計画し、開発された。石畳の道もこの石垣も、高級感を出すための計算され尽くした演出の一つである。

石塀小路は高台寺道と下河原通りを結ぶ道である。ここは、下河原から石塀小路に入る入り口。まるで異界へ誘い込まれるような不思議な空間だ。

石塀小路の入口角にあるお店。手前が小物を扱う店で、奥がガラス工芸品のギャラリーになっている。洒落た小物が多く、中を覗くだけでも楽しい店だ。

石塀小路の入口にある街灯。ここと下河原通側の入口の二カ所に設置されている。大正ロマンの香りがする。

石塀小路は、高級な料亭や旅館ばかりかというと、そうでもない。ここ田舎亭は、８５００円から宿泊が可能な旅館である。ＮＨＫの朝の連続小説ドラマ「オードリー」の舞台となった場所でもある。かつては有名映画監督や小説家が良く利用したという。人気が高く、予約を取るのは大変らしい。
（宿泊料は１泊朝食付の値段。金曜～日曜は１万円から。）

石塀小路の夜の風景。日の暮れと共に料亭の看板に灯が入り、石塀小路が夜の街でもある事に改めて気付かされる。