ミヤマクワガタについての新たな情報(2003年11月現在)
ミヤマクワガタについては、「我が家のクワガタ・カブト達」のミヤマクワガタの項に掲げたたように20度近い気温が産卵のポイントの一つである事が判ってきた。これ以外にも@NIFTY昆虫フォーラム5番会議室には興味深い報告が行われているので、主なポイントについてまとめてみた。
@堆肥への産卵の報告
北海道における産卵形態の報告として、堆肥への産卵が報告されている。本州では報告例を見ないが北海道においては以前から知られていた事実のようだ。余談ながら、このことからミヤマクワガタは不潔な虫として認知されていたらしい。また、幼虫が畑の土の中深くから出てくる事もあるそうで、このあたりは冬期の気温と関係がありそうである。5番会議室においては、堆肥の発酵熱を利用したり、凍らない地中深くまで潜る事により北海道の厳しい冬を越しているのではないかという意見が出ている。
また、本州において堆肥から出てくるのはカブトムシであり、本州においてミヤマクワガタが堆肥から発見されないのは、このカブトムシとの競合関係があるからのように思われる。(北海道には本来カブトムシは居ない。)ミヤマクワガタとカブトムシには、食性において共通する部分がありそうだ。
A産卵とマットの関係
ミヤマクワガタの産卵用のマットとしては、以前から腐葉土を混ぜたマットが有力とされてきた。実際これも実績のある方法だが、他にも様々な方法が試されている。
ア.黒土
イ.堆肥
ウ.発酵マット
それぞれにおいて成果が報告されており、どれが最有力かは判らない。ただ、成功例に共通するポイントとしてあげられるのはマットの深さである。概ね8cm以上、出来れば15cm程度の深さがあれば理想的なようで、これが5cm程度ではどのマットでも産卵しないようだ。これは我が家における失敗例でもある。なお、黒土、堆肥を園芸店で購入するときは、殺虫剤等が使用されていないか注意が必要である。
B産卵と産卵木との関係
ミヤマクワガタの産卵はほとんどがマット産みであり、産卵木についてはあまり関係しないと思われてきた。極端な例としては、産卵木を入れないでも産卵したという報告もある。一方で、産卵状態に入ったミヤマクワガタが産卵木を囓るという観察も多く報告されている。
これらに関連して、今年我が家において産卵木内に産卵をするという事例が観察出来た。下の写真がその産卵木の様子である。(撮影日2003年10月31日)
産卵木を半分に割った所。♀は木口から囓り始め、15cm程度の木をほぼくりぬき、削ったおが屑とケースに埋め込んだマットを混ぜて穴を埋め戻していた。
産卵の様子。見つかった卵は2つで、坑道の一番奥に産んであった。きっちりと埋め戻したおが屑の中に丁寧に埋め込むようにして産卵されていた。
これと同じ産卵を行う他のクワガタとしては、我が家で飼育した中ではパプアキンイロクワガタとミンダナオネブトクワガタが居た。また、坑道を掘って埋め戻すという行動は、オウゴンオニクワガタやグランティスオオクワガタでも見られたが、これらはおが屑の中ではなく木の部分に産んでいた。
ミヤマクワガタのこうした産卵はあまり聞いた事がないが、今回の産卵木はかなり柔らかいものだった事から♀が産卵床として選んだものかも知れない。自然下においては腐朽の進んだ朽木の根の部分で見つかる事が多いようで、もしかするとこれに近い産卵が行われているのかも知れない。いずれにしてもミヤマクワガタの産卵形態として面白い事例であると思われる。
C詳細については5番会議室へどうぞ
ミヤマクワガタの産卵については今も盛んに5番会議室において報告されている。100頭以上の産卵数を得たという報告もあり、参考になる事は間違いないと思う。是非、5番会議室まで来られる事をお勧めします。
産卵の様子の拡大。一見無造作に産卵したように見えるが、拡大して見ると他のクワガタと同様にちゃんと産座を作っている事が判る。