５階中庭エリア。オーシャンビューではあるが、そんなものより 今はこっちの蔦や大きく育った木のほうが興味がある。
	蔦は廃墟を演出する為、自然淘汰によって生き延びた廃墟の精。 なんて言葉は俺には似合わない。
	ここまで大きく育った木。眺望の邪魔になるだろうから現役当時からあったとは考えにくい。 おそらくは３０年以上も前から廃墟だったと思われる内部構造や自然の存在。 ここまで古く巨大な廃墟はなかなかお目にかかれない。 ちょっとした穴場的な廃墟であったが、現在は残念ながら存在しない廃墟。
	廃墟に歴史あり。しかしこの廃墟はなくなるまで一切の詳細を掴めない廃墟だった。 ネット環境が整っている今の時代とは違い、情報が行き来しにくい時代にこのホテルは無人と化したのだろう。 調べても調べてもネット上にはまったくヒットしない物件だった。 古い、何も無い、台風の影響か崩壊部分が激しいところ、階下まで床が抜けている、危険、黒い、 そんなイメージの巨大廃墟。 私にとって、印象に残った廃墟の一つだった。
			TOP