随 想
2.バッハ「シャコンヌ」
平成14年10月27日
大学2年生の19歳の時、水理学の教授が突然亡くなられた。 40数年前のことである。その教授がレコード盤(LP)をたくさん所蔵しておられた。
しかし奥様が、もう聞くことが無いので欲しい人に分けたいとの事で学友が貰い受けたのを同級生が分け合った。私は全集ものを2巻ほど頂いた。
その一つがバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ全集であった。テルマニーがバッハボウ(湾曲弓)で演奏しているLPである。
当時バッハもヴァイオリンも何も分からなかったが、その中の1曲「シャコンヌ」が余りにも素晴らしい曲だったので何度も聴き返した。当時のLPは今のCDと違いレコード針を盤に擦りつけ音を拾ったので、この曲だけはかなり盤が痛んでいる筈である。
時が経って就職し、さらにCDの時代になってからも「シャコンヌ」は何枚か購入し聞いて
いた。
最近たまたま新しく女流ヴァイオリニストのルーシーがバロック・ヴァイオリンで演奏しているCDを購入した。バッハボウ(湾曲弓)とバロック・ヴァイオリンなどを調べたくなってインターネットで検索したら、資料が一杯出てきて良く分かった。
調べる過程であるサイトに行き着いた。そのサイトの作者は相当な音楽の専門家らしく、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ全集のLPとCDを141種類所蔵しておられ、好みの録音70枚、いまいち23枚、好みではない録音29枚、持っているが未聴のもの19枚、探求盤4枚に分けて掲載しておられた。
同じ曲に145人の演奏家が挑戦し録音しているのも驚きであるが、注目したのは探求盤 4枚の中の1枚である。私が40数年前譲り受けたバッハボウ(湾曲弓)によるテルマニー演奏のLP盤を探しておられ、見かけたら連絡して欲しいとあった。早速、お譲りする事は可能であるとメールしたが返事は未だない。
特にこの「シャコンヌ」がきっかけでもないが、クラシック音楽は聴く機会が多かった。好きな曲はたくさん有るが複数の演奏者によるLPやCDを持っているのは、シベリウスのヴァイオリン協奏曲とブルックナーの交響曲などである。それから30歳台には山口百恵に夢中になった。
平成14年10月27日 記