石原裕次郎、美空ひばり亡き後の日本の芸能界で、名実共に大スターと呼ばれるにふさわしい俳優は、私に言わせれば<独断ですが>、2人しかいません。
T村正和、渡T也、O田裕二?
バカ言っちゃいけません。
本場のハリウッドに限らず、我が国に於いても、テレビドラマに出まくってているような俳優は、いくら大物でも、大スターとは呼ばれないのです。
まあ、"大物テレビタレント"と呼ばれるのがせいぜいでしょう。
さて日本最強の大スターとは、言うまでもなく、男優は"高倉健"(以下、"健さん"と呼びます)さん、女優は"吉永小百合"(ここでは取り上げません)さんです。
もし、地下鉄で"健さん"と乗り合わせたら、あるいはもし、国産車を運転している"健さん"と車ですれちがったら、あなたは大スター"高倉健"に対して、どんな印象を持つでしょうか。
さすがは"健さん"、庶民派だ、質素だ、などとは決して思わないでしょう。
むしろがっかりして、思わず、「えっ、"健さん"、そりゃーないよ、どうして"ベンツ"じゃ無いんだよ!」などと叫ぶのではないでしょうか。
なにしろ今あなたが向かい合っている"健さん"は、決して大スターの"健さん"ではなく、見たくもない庶民派の "健さん"なんですから。
私生活での"健さん"は、矢張り"ベンツ"に乗っていらっしゃいます。
去年"健さん"の"ベンツ"が盗難に遭う事件がありましたが、報道では、価格を1,000万円だと言っていました。
その金額は、中古車査定額だったのか新車時価格だったのか?
大スターについて書きたいとかねがね思っていたのですが、たまたま8/2の文化放送の番組で、"永六輔"さんが、まさに私の興味を喚起するようなことをしゃべっていたので、書く決心がつきました。
先日"永"さんが,地下鉄で向かい合って座っていた中年の男の人と目が合ったので、黙っている訳にも行かず、話しかけました。
そうしたら、苦情を言われたらしいんです。
同乗者「あなたみたいな有名な人が、地下鉄なんかに乗っていられると困るんです」
永六輔<少しムッとして>「どうしてですか?」
同乗者「私は普通の人間ですが、あなたは普通のヒトではないからです」
永六輔「いえ、私は普通のヒトです」
同乗者「いや、あなたは特別なヒトです。その特別なヒトが、普通のヒトと同じ行動をとると、廻りのヒトが気を 使って大変困るんです」
同乗者は、"永"さんみたいな超有名人は、「地下鉄なんかに乗らないで、タクシーか自家用高級車に乗れ」とでも言いたかったんでしょう。
"永"さんは、同乗者の言うことも分からない訳ではないと、半ば理解を示していましたが、でも私から見れば、 "永"さんは、地下鉄の方がよく似合います。
マスコミでは、有名タレントなどを盛んに"スター"呼ばわりします。
私の独断ですが、"スター"と呼べる人は、いわゆる映画俳優に限られると思います。
テレビタレントや、本業は映画だけれども、映画が暇なのでテレビにも出ているような俳優は、どんなに売れていても、決して"スター"とは呼びません。
"大スター"とは、庶民に迎合することなく、自らのスタンスを守って孤高に生きる……、そういう人です。
そして"健さん"は、紛れもなくそのイメージにぴったりの"大スター"です。
最後に、こんな"健さん"はイやだ!」
1.サラ金から逃げ回っている。
2.撮影現場へ、電車、バスを乗り継いで通う。
3.愛用車が、"カローラ"である。
4.木造アパートに住んでいる。
5.有名人の葬儀に必ず顔を出して、テレビのインタビューに応えている。
6.テレビのホームドラマで、やたらにご飯を食べている。
7.ロケ現場で、人手が足りなくて、通行人や交通整理をやっている。
8.写真誌で○○現場を激撮されて、カメラマンに暴力をふるっている。
9.割り勘で食事をする。
10.家庭ごみを分別しないで出して、近所の人から注意されている。
"健さん"の後を継ぐ大スターが今の若手俳優達の中には陰も形も見当たりませんが、これって日本映画の将来にとっては、相当にヤバイことじゃないでしょうか?
平成15年8月13日
平成15年8月17日
"石原裕次郎"も"健さん"もテレビに出てたじゃないかとの異論も出そうですが、裕次郎が出てたのはテレビドラマではなくテレビ映画だし、"健さん"もずいぶん前にはNHKのドラマなどに出ていましたけれど、長い役者生活の中で、厳選されたものに僅かしか出ていないはずです。
「テレビドラマに出まくっているような俳優は、スタートは言わない」という私の切り口は、誤解を招くかもしれませんが、そういう考え方は、そもそも以前から映画界にはあるわけだし、そう公言して憚らないスター俳優もいらっしゃいますよ。
テレビを甘く見ているんじゃないかと思われるかもしれませんが、今のタレントで、テレビ出演だけで満足しているような、そんな志の低い人はいないはずですよ。
みんな、テレビを足掛かりにしながらいつかは映画に打って出ようと思っているはずですが、それにしても、今の日本では、映画産業の置かれている立場が悪すぎますね。
平成16年6月13日
書き忘れていました。
昨年"ラスト侍"を観ましたが、"渡辺 謙"、よかったですね。
久しぶりにスター出現の予感です。
今後の活躍次第では、健さんに続く大スターになるのも夢ではないように思いがちですが、そう簡単には行かないでしょう。
"健さん"が慕われるのは、その人柄の良さ、カリスマ性、お金に拘らない気前のよさ、そしてなによりもお金に困っていない、などなどの日本人的心情に訴えるものがその底にあるからでしょう。
渡辺の"謙さん"には、例の事件の関わりで、そのいくつかが欠けているような気がしますが、でもハリウッドの大スターたちが、男優も女優もこぞって、スキャンダルにどぷっりと浸かりながらもスターでいられることを考えれば、"謙さん"が、日本でよりもむしろ海外で、大スターになる日も近いような気がします。
125.「独断ですが"大スター"の条件」