現在地球上に生存する全人類60億人のルーツをたどっていくと、15万年(8000世代)前の、たった一人のアフリカ女性「イヴ」に行き着くそうですね。
人間は7〜8万年前の氷河期にアフリカを出て、凍りついた氷河を渡って、世界中に広がっていったそうです。

 
 という内容の特集を、久米宏のテレビ番組でやっていたのですが、視ていて、人類の進化に関する永年の疑問が晴れるどころか、ますます深まるばかりで、なんとも消化不良で、不満の残る番組でした。

 
 15万年前の、人類の祖先と特定されたそのアフリカ女性は、一体誰から産れたんでしょうか?
その女性の母親は、未だ猿に近い動物だったんでしょうか?
その猿に近い動物が、突然人間の女の子をを産んだんでしょうか?
 バカな疑問ですが、ずぶの素人の私には、そこら辺のことがサッパリ分かりません。


 人類は」猿から進化して人間になったと言われています。

 
 そこで当然、好奇心の強い小学生などが、あどけない顔で訊ねます。
「じゃ〜、今の猿も人間になるんだよね。 で、いつ人間になるの?」
 私もかつてはそうでした。

 
 しかしすべての小学生が、必ずしもそのようにあどけない訳ではないと、ふと思い当たりました。
長崎県の"4歳児殺人事件"の容疑者は、つい数ヶ月前までは、ランドセルを背負って小学校に通っていたんです。

 
 又報道が正しければ、小学校のときから、性的ワルサを繰り返していたらしい。
小学生と言えども、可愛い、あどけない、純真無垢だなんて言ってはいられない時代です。

 
 さて、「人間が猿から進化して人間になった」という定説が正しいとすれば、子供達(いや、大人達も)が、現在の猿も、長い進化の歴史を経て、いずれは人間になる可能性があると考えるのは、当たり前過ぎることです。
 

 人間と猿とのDNAの違いは、僅か1.23パーセントだそうです。
これは人間と猿とが共通の祖先から分かれて、それぞれ独自の進化を遂げていったという学説を裏付けるには十分に説得力のある数字です。

 
 私がもし子供達から、「猿はいつ人間になるの?」と訊かれたら、次のように答えようと思っています。


 「今の人間と猿とは、それぞれ共通の原始的な猿から分かれて、片方は人間へ、もう片方は猿へと進化していったんだよ。現在の人間は原始的な猿が進化した途中の姿であり、現在の猿も同じように、原始的な猿が進化した途中の姿なんだ。だから人間は今後ますます究極の人間に向かって進化していくだろうし、猿もますます究極の猿に向かって進化していくだろう。人間と猿との間隔は、今後広まることはあっても、狭まることはないし、地球の歴史的には、人間も猿も、まだまだ進化の初期段階にあるのかも知れないよ」

  
 まあ 素人のたわごとだと笑ってやって下さい。

 
 今地球上の森林が、伐採や焼畑によって、すさまじい勢いで消滅しつつあるそうですが、現在の猿たちがやむを得ず樹から下りて地上生活になじみ、2足歩行をするようになっても、知力体力共に人間に近づくことは100パーセントあり得ないでしょう。
 

 何故ならば、動物の顕著な進化は、数十万年、数百万年の時の経過を必要としますから、森林の消滅というここ数十年の問題に、猿が適応できる訳がなく、それよりもむしろ、たちまちのうちに絶滅することになるからです。
 
 
 実際、ゴリラは絶滅の危機に瀕しており、地球上から姿を消すのも時間の問題だと言われています。
 といったことまで純真な子供達(?)に説明するのは、絶対に避けたいところですね。 


                                                       平成15年7月13日


H15/8/9の「朝日新聞」の夕刊に、私の興味を引く記事が出ていました。

 「遠いヒトの祖先には尾があった。
ニホンザルなどサルの仲間には通常しっぽがあるのに対し、チンパンジー、ゴリラなど原生人猿はすべてむ無尾である。
ケニアで99年に発掘された破片化石から、1600万年前に生息していた類人猿"ナチョラピテクス"の第一尾椎が見つかった。それには脊髄を通る椎孔と呼ばれる穴がなく、神経線維が少なかったと判断され、それによって、しっぽを形成しないことが明らか、と結論づけられた」

 しっぽは樹上を機敏に動き回るには、バランスをとるのに必要ですが、地上での2足歩行の生活ではじゃまな存在で
す。
ヒトや類人猿は既に1600万年以上も前に、サルとは別の進化の道を進んでいたんですね。

 
 その後、「週間文春)(2004/11/11発行)に、冒頭の私の疑問をある程度解いてくれるコラムを発見しました。
動物行動学研究家の「竹内久美子」さんが書いたものです。

 ミトコンドリアDNAは、母親のものしか次の世代に伝わりません。
そのミトコンドリアDNAを調べたところ、全員の共通の祖先に当たる女が1人存在することが分かりました。
それを「イヴ」」と呼ぶことにしました。
 「イヴ」が生きていた時代には女は他にもいっぱいいたのですが、現在の我々にまで母系でつながる子孫を残したのは「イヴ」だけです。
(他の女が残した子孫は長い時の流れのうちに、淘汰されていったということ?)
 世界各地のミトコンドリアDNAのサンプルを集め、それらの塩基配列を調べて系統樹を作ると、先ずニグロイド(アフリカ人)が最初に枝分かれし、次にモンゴロイド(黄色人種)とコーカソイド(白色人種)が枝分かれします。
 このようなことから先ず、「イヴ」はアフリカにいたと感えられます。
ミトコンドリアの塩基が平均してどれくらいの期間に1個置き換わるかが分かっていますから、一つの塩基の置き換わりを時間の単位として計算すると、「イヴ」は14万3千年くらい前にいたということが分かります。


H16/05/27の「朝日新聞」より
 人とチンパンジーの遺伝情報の差は、従来考えられていた1.23%よりも大きいことが、理化学研究所など国際チームの研究でわかった。
DNAが収納された染色体の1本を分析したもので、そこにある遺伝子の作るたんぱく質の8割で構成が人と違っていた。27日発行の英科学誌ネイチャーに発表する。
 理研の榊佳之ゲノム科学総合研究センター長らが、チンパンジーの染色体24対のうち22番と、それに相当する人の21番のDNAを、99.99%以上の正確さで分析した。
 塩基という、いわば遺伝情報を記す文字の数はチンパンジーでは約3280万、人は約3313万だった。
比較すると、特定のDNAの断片がチンパンジーのDNAに入り込んでいるのに人にはなかったり、人にはあるのにチンパンジーでは欠けたりするといった違いが約6万8000カ所もあった。
 人とチンパンジーの遺伝情報の違いが1.23%とされたのは推計によるもの。DNA断片の入り込みや欠落まではわかっていなかった。
今回調べた部分の差は」5.3%と計算される。

 それぞれの染色体の同じ位置にある遺伝子231個の作るたんぱく質を比べると、たんぱく質を構成するアミノ酸が1個以上違うものが8割にのぼった。DNA配列の違いによるとみられた。
 榊さんは「人とチンパンジーの差は、少数の遺伝子の劇的な変化だけでなく、小さな変化がたくさん集まって生まれているようだ」と話す。


H16/09/03の「毎日新聞」より
 約600万年前にいた人類の祖先の猿人は、すでに二足歩行していたことがコンピューター断層撮影(CT)による骨の化石の分析で判明したと、米仏の共同研究チームが9月3日付(2004年)の米科学誌「サイエンス」に発表した。 

 これまで確実に二足歩行をしていたと考えられているのは約400万年前の猿人で、人類の最大の特徴である二足歩行の歴史が一気に200万年もさかのぼることになり、人類史研究に大きな影響を及ぼしそうだ。
600万年前の猿人は「オロリン・ツゲネンシス」と呼ばれ、2000年にケニア北西部で化石が発掘された。大たい骨がほぼ無傷で残っており、発掘当時から、外見的な特徴に基づき「二足歩行していたのではないか」と推定されていた。
 
 研究グループは、股関節につながる大たい骨のくびれた部分の内部構造をCTで詳しく調べた。その結果、骨の表層部が上側だけ薄くなっていることが分かった。これは樹上生活するチンパンジーなどとは異なり、直立二足歩行する人類と同じ構造だった。骨のほかの部分の形状も、類人猿よりは人類に近かった。
研究グループは「分析結果は二足歩行の直接証拠を示している」と述べている。
 
 これまで、二足歩行が確実とされる最古の猿人は約400万年前にアフリカにいた「アウストラロピテクス・アナメンシス」だった。
 約600万年前は人類と類人猿が分岐した初期の時期と考えられている。


H17/04/07の「朝日新聞」より
 愛知万博に複製が展示されている700万年前の猿人サヘラントロプス・チャデンシス(愛称トゥーマイ)の頭骨化石をもとに、顔が復元された。ヒトの祖先か類人猿の祖先か論争になってきたが、この復元で発見者らはヒトである確信をいっそう強めたという。
 
 この化石は、01年アフリカ・チャド北部の砂漠でフランス・ポワティエ大のミシェル・ブルネ教授らが発見した。頭骨や歯にヒト的な特徴があり、発見者は最も古いヒトと考えた。
しかし、頭骨に割れ目があり、大きくゆがんでいるため元の形がはっきりせず、「ヒトではなく類人猿の祖先だ」との批判が出た。
 
 ブルネ教授らは、化石のコンピューター断層撮影画像から、最も正しいと考えられる姿をコンピューターで復元した。
顔面はよりヒトらしくなり、首の骨の方向などから直立二足歩行をしたらしいとわかった。ブルネ教授は、その後見つかった歯やあごの化石も発表。類人猿のような大きな犬歯を持たないため、ヒトだと結論づけた。

H18/05/18の「東京新聞」より
【ヒトとサル分岐後に交雑? DNA比較で進化に新説】
 人類とチンパンジーの祖先は共通の祖先からの枝分かれした後に交雑していた時期があり、最終的な分岐は従来の説より100万年以上遅かったらしい−。米ハーバード大などのチームがヒトとチンパンジーの詳細なDNA比較でこんな新説を導き出し、英科学誌ネイチャー(電子版)に17日発表した。
 
 これまでは「最も初期の人類」だとされているトゥーマイ猿人の化石に基づき、両者は740万−650万年前に分岐し、その後は独立して進化したとの見方が有力だった。ところが、解読されたヒトとチンパンジーのゲノムDNAを比較したところ、分岐は一度に起きたのではなく、400万年を超す長い年月がかかっていた可能性が高いことが分かった。


H19/02/24の「共同通信」より
 西アフリカ・セネガルのサバンナに生息するチンパンジーが、木の枝からやりを作り、狩りの道具として使っていることが、米アイオワ州立大のプリーツ助教授らの観察で分かった。人間以外の動物による「武器製造」が確認された初のケースとみられるという。23日付の米紙ワシントン・ポストが、米科学誌カレント・バイオロジーに発表された論文の内容として報じた。
  
 同紙によると、同助教授ら米英の研究チームがセネガル南東に生息するチンパン
ジー35頭を数年間にわたって観察したところ、やりを使うような行動を22回確認した。
チンパンジーは側枝や葉を落として平均約60センチの手ごろな長さにした枝の片端をかみ、やりのように鋭くした。これを使って樹木の空洞を繰り返し突き刺した。 22回のうち3分の2は雌による行動で、1回はキツネザルに近い小型のサルであるガラゴの捕獲に成功したという。
122.「猿はいつ人間になるの?」
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イラスト:川崎悟司様の
 「原生動物図鑑」