日本の学校のキャンパスというのは、欧米のそれと比べると、どうしてこうもお粗末なんでしょうか。 

 
 私は横浜へのバイパスに抜ける為に、渋滞を避けて、しばしば"裏道"を通るんですが、そこにあの有名な国立T工大が建っています。


 いや、T工大自体は国道沿いに建っているんですが、たまたま正門が"裏道"(抜け道)にあるんで、私から見れば"裏道"(しつっこいようですが、抜け道))に建っているように見えるんです。
この抜け道、いや、"裏道 " を通り過ぎる度にいつも、T工大のキャンパスに林立する、コンクリート打ちっ放しの薄汚れた校舎群を見るんですが、妙にもの悲しい気持ちになります。

 
 これがわが国を代表する超一流の国立大学のキャンパスなのかと。
学問、研究の場所としてのアカデミックな要素が微塵も感じられない醜悪な校舎群、アスファルト舗装で被いつくされた歩道、申し訳程度の植栽、思わず、「サブ〜」と言いたくなるようなキャンパス風景です。


 建築科があって、世界に通用するような立派な先生方もいらっしゃるでしょうに、もっとましなキャンパス造りはできなかったのでしょうか?
 これじゃ、学生も可哀想だし、留学生からも笑われます。

 
 写真集なんかでケンブリッジやオックスフォード、あるいはハーバード大学のキャンパスの写真を見たことがあるんですが、立派でしたね。
歴史を重ねるごとに風格を増して、歴史の重みをひしひしと感じさせる建物でした。
 日本はイギリスやアメリカとは建築様式が違うのですから、何も真似をしてあのような建物を建てる必要は全くないのですが、それにしても日本の大学の建物は、年月を経るにつれて風格を増すどころか、スラム化していくんですから、話になりません。

 
 私は以前、ニュータウンと呼ばれる団地の公団住宅に引っ越して行ったことがありますが、近所に小学校がありまして、それが当時流行っていた、コンクリート打ちっ放しの建物だったんです。


 今でも日本国中どこででも見られるのと大差ない、いわゆる小中学校らしい外観の建物だったんですが、他と大きく違っていたのは、建物の、メイン道路から見える北側の壁に<私の思い違いでなければ>窓がひとつもなかったんです。
 建築費をよほど値切ったのか、あるいは窓を設けないのが設計者のコンセプトであったのか、今となっては分かりませんが。

 
 その小学校にたちまち付けられた綽名が、"刑務所"だったそうです。
そのうちに当然の成り行きとして、"刑務所"は"ムショ"と呼ばれるようになったんですが、私たち夫婦が引っ越して行った当初は、団地住民の会話内容には驚きました。


 だって若い母親が、「うちの子は来年は"ムショ"に入る」だの、「子供が"ムショ"に行くのを楽しみにしている」だの、嬉々としてしゃべっているんですから。
 

 また卒業がま近な子供の親は、「子供が"ムショ"を出たくないと言っている」なんて、真顔で言うんです。
日本には刑務所が幾つあるのか知りませんが、これ程近隣から慕われる刑務所は、他に例を見ないでしょう。
 幸いにして私はその後、別の団地に引っ越したので、可愛い我が子を"ムショ"送りにせずに済みましたが・・・・。

 
 私が車で殆ど毎日通る東京都稲城市の道筋に、すばらしいキャンパスを有する小学校と中学校が、道路を隔てて建っています。

 
 写真を撮る為に正門へ近づいたのですが、校門から出てくる子供達が実に明るくて、幸せそうでしたし、見送りに出て来た男の先生も、教える自信に満ちているように見えました。
 
 
 市長さんも、さぞ立派なお方なんでしょうね。
教育熱心でなければ、たかが<失礼!>義務教育のキャンパス造りに、ここまでお金をかけることはできません。
たかが"義務教育"、されど"義務教育"ですよね。

                                             


                                                      平成15年5月11日 
115.「早く〜"ムショ"へ行きたいよ〜」
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「東京都・稲城市立若葉台小学校」