琵琶湖研究会
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言 霊 の 道
  ●言霊の定義


 コトタマとは、言葉に霊的作用を認めた日本固有の古語である。従って、これに「言霊」という漢字を当てている。これと同様、数にも霊的作用を認め、カズタマという用語があり、これには 「数霊」の漢字を当てている。一般にカズタマはスウレイ(数霊)とも呼ぶが、コトタマの場合は「言霊」という漢字を使ってもゲンレイなどとは余りいわない。
  〈コトタマとは、言語と霊感とが不離一体となって表現される音声をいう〉
 この定義では、余りに簡潔すぎて、初歩の方には理解しにくいと思うので、今少し説明を加えよう。言霊学では、コトタマとは神より出た音、言葉(漢語では言語という)とは普通の人が話す音声として区別する。では人の音声が言葉である以上、言霊は人間から出ないのかというに、神の声として人間を通じて発せられる音声は、言葉とうけとめられても、それはコトタマなのである。
「あの人には、コトタマが出る」ということを、私たちはよく耳にするが、これは心霊現象として捉えたものである。科学万能、物質文明華やかな現代にあって、心霊現象やコトタマなどを、ここに持ち出せば時代錯誤のごとく冷笑する人々もあるであろう。だが諸賢には、これらについて深い認識があると思う。
「言霊の道」は、古代琵琶湖の深奥を説かれ、超古代史、神世文字をはじめ、世の学者の成されない重要な部門の研究に生涯をささげられた先覚者であり、我が琵琶湖研究会専務理事を長く勤められた吾郷清彦先生の、次世紀の覚醒者への貴重な資料である。後継の研究者の出現を願い、鬼席の先生の願われることと信じてここに紹介したい。

  ●言霊学の概要

  言霊学は、近世(一八三〇―天保年間)より始まるものと考えることができる。すなわち中村孝 道が天保五年に「言霊或問』を、また杉庵志道が天保十二年に大著「水穂伝』を発表して、その基 礎をうち立てた。
 爾来、大石凝真素美・水野満年・水谷清・朝倉尚綱の系統、またこれとは別個に荒深遠斉、山腰 明将、高根正教、武智時三郎・小笠原孝次・苗代清太郎の面々が、コトタマ・フトマニの研讃に腐 心し、それぞれ立派な成果を挙げている。なお本田親徳の霊学における『幽顕大兆全書』および出 口王仁三郎の「大本言霊学』をも見逃すことはできない。
 ここで言霊学の基盤となるコトタマの精粋・五十音とその表記に触れておきたい。
 まず五十音図として、もっとも古く、日本古来の文字を伝えるものに次の四種がある。


豊岡新字五十音図(図2)
アヒルモジ五十音図(図3)
ホツマモジ四十八音図(図4)


A豊国古字五十音図(図1) これはウエツフミ所伝。落合直澄は、高著『日本古代文字考下』
(吉川米七発行・明治21)において、これを「古体象字」と呼び、豊国新字と区別する。
各字の説明は省略し、まぎらわしいヤ行のn・h、ワ行の蜀につき解説しよう。(図1・2参照)
そもそもヤ行のヤは矢にて巾(弓矢の矢)が象形化されている。次に別であるが、これは矢が射放されて、飛んでいる象形である故、φがらのごとく横向きとなっている。それ故私は、五十音のフリガナとしてカタカナを使う場合、便宜上「射」の字を用い、ア行のイ(・‐) ワ行のヰ (芭と区別する。と同様ヤ行のふぺ(h)は、杓子の柄であるから、これまた私は柄の字を当てた。
 次にワ行の蜀であるが、これは鳥が卵を生む象であり、蜀と音頭に力を入れて発音する意味で字(一向)の字を用いた。
 すなわち私は、9の代用として、漢字の「字」を採用し、蜀と発音し、ア行のウと区別した。
 これまで五十音図を表記するにあたり、言霊学者のほとんどが、 アイウエオ・ヤイユエヨ・ワヰウヱヲのごとく、イ・射、エ・柄、ウ・字を区別せず、同一文字 でゴマカしている。
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