宇宙事業団13
お手本は、やっぱりスペースシャトル!住み心地も抜群だ
これまで人を宇宙に送り出してきたロケットの中で、「宇宙旅客機」の姿に最も近付いたのはやはりスペースシャトルです。
アポロ宇宙船の時代に比べれば、そこそこの訓練で、あなたと同じ「一般人」も乗船でき、自分用のベッドやロッカーもあって、居住空間もかなりゆったりとしています。
室内の平均気温は23℃で湿度40〜60パーセントの1気圧に保たれており、地上と同じ環境です。
81年4月の第1回のミッションから、かなりの宇宙飛行実績を重ねています。
オービターと呼んでいるスペースシャトルの本体部分は、全長37メートル、幅24メートル、高さ14メートルで重量77トン、大きさは旅客機のダグラスDC9とほぼ同じです。
発射時には、お腹に大きな液体燃料タンクを抱え、さらにその両脇に固体ロケットを2本くっつけています。
液体燃料タンクは、オービターの3機のメインエンジンに燃料を送り込んだ後、空っぽになると、切り離されてインド洋に落ちていきます。
海に着く前にほとんど燃え尽きてしまうので、残念ながら再利用はできません。
2本の固体ロケットは落下傘を開いて大西洋に着水し、繰り返ししようします。ただ、海水により腐食されるため、20回ぐらいしか使えません。
もちろんオービターはそのまま地上に戻ってきて、飛行機と同じような姿でランディングします。
最初の頃は、耐熱タイルがボロボロ剥がれてしまいましたが、最近はほとんど無傷で戻ってくるようです。
計算では100回のミッションをこなすはずでしたが、エンジンは3回飛んだら1回はオーバーホールしなければならず、部品も途中で交換していきますから、100回も飛ぶうちには中身はスッカリ入れ替わってしまうかもしれません。
パイロットの他にミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者)、ペイロードスぺシャリスト(搭乗科学技術者)、が乗り込み、最大人員は8名。
人工衛星やスペースラブ(宇宙実験室)といった荷物は合計29.5トンまで積むことができ、オービター中央の胴にあるペイロードベイ(貨物スペース)に納めます。
クルーが乗るのは、前の部分で21階建てになっており、2階はフライトデッキと呼ばれる操縦席、1階はミッドデッキと呼ばれるふだんの生活の場です。
ここは、オーブンやトイレも有りTシャツにショートパンツの普段着でくつろぐことができます。